- 信行:
- 確かに特定の用途に最適化すればコストも安くなるし、それを突き詰めれば解決すべき課題も見えてくるので自ずと形状も決まってきますよね。一方で、要さんが挑戦している「親しみ」「愛」「癒やし」などのテーマは、解決するための最適解がないのですごく難しそうですね。
- 要:
- それがそうでもないんです。例えばLOVOTを認知症の方にお見せすると非常に喜んでいただけます。その理由はLOVOTを直感的に好きだと思うから。理屈ではなく直感的に惹かれる理由を深掘りすると、生存本能に直結することがわかります。だからこの方向性で開発していけば間違いはないという感触があって、最適解の方向性が全く見えてないというわけでもないんです。
- 信行:
- なるほど。ではLOVOTには生物学的な要素が入っているんですか?
- 要:
- 半分はアカデミックな文脈、もう半分はアートの文脈で開発しています。アカデミックの世界は仮説・実験・検証によってエビデンスを一つひとつ地道に積み上げていくしかないので、ある日突然大きくジャンプすることはできません。でもアートは、過去のしがらみに囚われないでもいい世界です。一部のアートは非常に合理的にジャンプしていて、真理に一足飛びに近づく事ができるわけです。それにアカデミックな世界のエビデンスをうまく組み合わせることができれば、LOVOTの開発スピードを早めることができると思っています。
- 信行:
- なるほど。ますます楽しみになってきました。
- 要:
- ではぜひ実物のLOVOTを見てください。
- 信行:
- へ~! これがLOVOTですか。なるほど!
次回は信行さんが実際にLOVOTを見て触っての率直な感想や、LOVOTが現代社会に与える影響について語り合っていただきます。ご期待ください。